授業教室でも自習室でも、生徒がいつも座る席がある。
「ここがあなたの席ね。」と言ったことは1度もないが、
みんな座る席は大体同じだ。
別にどこに誰が座っているかなんて
覚えようとしてるわけじゃないけど、
毎日毎日見ていると自然と覚えてしまう。
で、毎朝塾の掃除をしているのだが、
机を雑巾でふくときに気付くことがある。
消しカスがきれいにとってある机と、
消しカスがそのまま散らばっている机。
消しカスをとってくれているととても嬉しい。
掃除が楽になるし、何よりその心遣いが嬉しい。
消しカスを取ってくれている確率が多いのは高3だ。
逆に消しカスをそのままにしている確率が多いのは高1。
大人になると気遣いができるようになるのかなー。
うーむ。
消しカスで思いだしたが、
学校教員の採用試験を受けたとき、
筆記試験があった。
その学校に無事採用されて働いていたが、
あるとき、当時の校長先生と二人で食事に行く機会があった。
そのときにこんなことを言われた。
先生「宮崎くんはまじめだよね。」
私「え、そうですか?」
先生「採用試験のときに筆記試験があったでしょ。」
私「はい。」
先生「試験後に消しゴムのカスが机に残っていたんだけど、
宮崎くんはその消しゴムのカスを集めて自分の手にとったんだよ。」
私「そ、そうでしたっけ。覚えてないです(^^;」
先生「で、その消しゴムのカスをポケットに入れて帰ったんだよ。
たまたまその場面を見かけたんだけど、
この人は信用できるな、と思ったんだよ。」
私「そうだったんですか。」
先生「まぁ採用には全然関係ないけどね(笑)。」
私は本当にそのときのことを覚えていない。
ただ、当時から「人が喜ぶことをしよう」ということは
いつも思っていた。もちろん今も。
例えば、飲食店のトイレなんかで、
手洗い場に水が散っていたら拭いてみるとか、
道にゴミが落ちていたら拾ってみるとか。
自分にできる範囲のちっちゃいことだ。
誰かに見てもらうためではなく、
これをやると自分の気持ちが軽くなるのだ。
いいことをした後は誰でも気持ちがいいものだ。
だから、常日頃から心がけている。
ある本に書いていたのだが、
「道端にゴミを捨てる人は自分の徳を捨てている。
ゴミを拾う人は自分の徳を上げている。」
まさにその通りだと思う。
あれ、消しカスの話だったのに、
いつの間にか徳の話になってる。
まぁ、じゃあ結論は「徳を積みましょう」ということで(笑)。