私は「プロフェッショナル」という番組が好きなのだが、
未だに覚えている言葉がある。
私がまだ宮崎塾を作る前のことなので、
もう3年以上も前に見た番組だ。
数年も前のことなのに、
いまだに覚えている。
その言葉が心に刺さって離れなかった。
「プロフェッショナル」という番組は、
毎回何かのプロを取材しているのだが、
そのときはクツ職人の回だった。
ぼんやりとしか覚えていないが、
確かこんな話だったと思う。
大手靴メーカーで働いているある若者が、
会社を辞めて、本場イギリスに留学して学びたいと思った。
そのことを上司に相談したところ、
「会社を辞めるのではなく、1年間の休職にしたらどうか」
と言ってきた。
しかし、1年間という短い期間で本当に学びきれるのか不安だった。
一方、会社を辞めたら日本に帰ってきたときに、
働く場所がなくなってしまう。
その若者はとても迷った。
迷った末に、尊敬する先輩に相談した。
すると、その先輩はすぐに言った。
「辞めればいいじゃないか」
そして、この言葉を言った。
「得るは捨つるにあり」
大きなことを得るには、何かを捨てなければならない、と。
その言葉を胸に、
その若者は会社を辞め、イギリスへ渡った。
会社という大きなものを捨てたその若者は、
イギリスで人の何倍も努力した。
そして日本に戻ってきて、大成功した、という話し。
私が宮崎塾を作った最初のとき、
不安で不安で仕方なかった。
当たり前のことだが、
仕事を辞めたら収入は0になる。
そして塾を作るとなると、
数百万円は簡単に吹き飛んでいく。
そんなリスクを重ねてまで塾を作ったとしても、
生徒が来てくれる保証なんて何もないのだ。
だから、もし生徒が全然来てくれなかったら、
あと何日生きていくことができるのかを
最初に計算していた。
そして、1日が終わるごとに、
「あと〇〇日で塾が潰れる」と思っていた。
それくらい不安だった。
そんなときに心の支えになったのが、
「得るは捨つるにあり」
という言葉だ。
私は学校の先生という大きなものを捨てた。
だから、絶対に宮崎塾を存続させたいと思い、
毎日必死にがんばった。
大きなことを得るには何かを捨てなければならない、
そう何度も何度も自分に言い聞かせて、
必死にがんばってきたのだ。
今、高3は受験前で大変だと思う。
でも、何かを捨てた分だけ、
大きな結果を手に入れることができる確率が高くなる。
例えば、
テレビを見る時間、
携帯電話をさわる時間、
遊ぶ時間、
友達と話す時間、など
1日の中で勉強以外の時間をどれだけ捨てれるか。
捨てれば捨てた分だけ勉強時間にあてれるので、
第一希望の大学に合格できる確率が高くなる。
センター試験まで残り88日。
勉強以外のものをできる限り捨てていこう。