今日、いくつかの国公立大学の合格発表があった。
どこの学校や塾もそうであるように、
良い結果もあれば、
残念ながら良くない結果もあった。
今日で受験がすべて終わった生徒がいるのだが、
その生徒が午前中に塾に来てくれた。
手には何やら袋を持っていた。
合否の結果を聞き、
少し話した後、その生徒がこんなことを言った。
「先生、4階の自習室を掃除させてください。」
突然の申し出に最初は驚いたが、
私はとても嬉しくなった。
そして、お言葉に甘えて掃除してもらうことにした。
手に持っていた袋の中には、
なんとぞうきんなどの掃除道具が入っていて、
百均で買ってきたとのこと。
・・・最初から掃除してくれるつもりだったんだね。
自習室の掃除といっても、
そんなにすぐ終わるものではない。
1つ1つの机をクレンザーで磨き、
アワをふき取るだけでもかなりの労力なのだ。
バケツの水を何度も入れ替えないといけないしね。
1人でやると何時間もかかる。
私が
「思っている以上に大変だよ?大丈夫?」
と聞くと、
「はい、時間はたくさんあるので大丈夫です!」
と言ってくれた。
最低気温3度、最高気温8度という寒い中、
窓やドアを開け放って、
何度も水の中に手を突っ込んでぞうきんを絞り、
1人で黙々と自習室の机を磨いてくれた。
昼ごはんを食べずにひたすら作業をしてくれた。
4時間ほど経った後、
私が様子を見に行くと、
自習室の机は新品みたいにピカピカになっていた。
みんながたくさん勉強して黒くなった机を、
1つ1つ丁寧に丁寧に磨いてくれていた。
4階の自習室の掃除がすべて終わった後、
その生徒は、
「また何かあれば何でも言ってください。
何でも手伝います。
ありがとうございました!」
と言って、いつものように帰って行った。
この生徒は毎日22時まで自習室で勉強していて、
センター試験が終わっても、
前期試験までずっと22時まで勉強していた。
これは私の考えだが、
毎日毎日自習室で勉強に打ち込む中で、
謙虚な気持ち、感謝の気持ちが育ったのだと思う。
だから、受験がすべて終わった今日、
一生懸命掃除をしてくれたのだと思う。
ありがとう。
今までよく勉強したね。
そして、すごく成長したね。
その謙虚な気持ち、感謝の気持ちがあれば、
これから先、どんなことがあっても幸せになれるよ。
本当にありがとう。