宮崎興治の生徒に!保護者へ!塾内日誌!

【阪田】瞬く間あいだに4月が終わる

あっっっという間に4月が終わろうとしている。今回は4月の振り返りと、5月病を防ぐために今一度立ち位置の確認を。

 

 

高1英語は、文型と時制、そして音読・単語暗記の習慣化。

中学校までの取り組みと大きく変わるのが英語で多面的に様々な角度から平行して鍛えていく必要がある。中でも、音読・シャドーイングとボキャブラリー習得の習慣を早期に身に付けておくことが、後々に圧倒的な差がつく箇所なので、意欲が高い間にしっかりと取り組んでもらいたいところ。加えて基本的な文法事項をアウトプットできるレベルで定着することを意識したい。これまでの学習習慣によってばらつきが出るのが常だが、気合を入れてしっかりと時間をかけ向き合ってほしい。一度身に付けた英語力と習慣は決してあなたを裏切らない。

 

高2英語は、英語の音法とリスニング・シャドーイングの徹底と、ライティングと英文解釈のスタート。

リスニングやライティングといった後手に回りがちだが時間のかかるスキルをしっかりと高2の間に伸ばしていく。そして、特にこの時期はすべての教材の日→英の復元ができるようにトレーニングの時間を増やすことを意識したい。ただ理解するだけでなく、英語でアウトプットができるレベルにまで仕上げておくことが、しっかりと揺ぎ無い基礎力を築くために重要なので、ここでしっかりとこの1年間の学習リズムを構築しておきたい。多様な英語の側面をすべて打ち抜くだけの圧倒的な力を養うためには圧倒的なインプットとアウトプットが求められる。周囲を圧倒するまでのトレーニングを。

 

高3英語は、長文における主張をつかむ最終段階、入試レベルの英文解釈と根本的な文法事項の確認、より自然な日本語に解釈するためのスキルを身に付けていく。

授業時間が伸び、課題も増えているので、じっくりと時間をかけ、頭を使って課題を考え抜いてくることを意識したい。難度が高いものが増えているので、直前にパパっとやる程度ではおそらく解けない。そこで学習の階段を踏み外してしまいついていけなくなってしまう。課題をとにかくこなせばいい、なんとなく解答らしきものを仕上げていさえすればいい、という考えは通用しない。受験本番でもそのレベルで取り組むのか自省をして、答案を練り上げる訓練を徹底しておきたい。英語はなるべく先行逃げ切りをしたい科目なので、早期の得点安定を目指して夏休みまでに入試標準に立ち向かえるだけの力を獲得しておきたい。

 

 

 

 

総じて、誰のために何のために学んでいるのかを、もう一度ファームなものにしておきたい。

 

まずは自分のために。

自分の望む将来を獲得するために。

人生を変えるために。

やった分だけ正しく返ってくる、こんなに公正な勝負はほかになかなかない。

やることが決まっていて、情報もたくさんあふれていて、周囲からの潤沢なサポートもある。こんなに恵まれた環境で勝負ができる機会はこの後ほとんどない。

あなたの全力の努力を、将来のためにベットすべき最高の機会だ。

 

そして、まだ見ぬ大事な何かのために。

守るべきものを正しく守るために。

知識と努力をもって、自分の大事なものを守り抜くために。

知識そのものはともかくとしても、その知識を得るための努力と、その知識を得るための方策を考えることは、必ず将来自分が大事にするものを守る助けになる。

目標とするものに必要なものは何か、そしてそれを獲得するために取るべき方法は何か。

知識に正しくアクセスすることができる力は万能だ。

 

最後に、顔も知らない多くの人のために。

世界のどこかで困っている人のために。

未来のいつかで涙を流す人が少なくなるために。

これまで積み上げられてきた知を一歩でも前に進め次代へと引き継いでいくために。

がんばればがんばった分だけ影響力の大きな仕事に就くことになるだろう。それは多くの人にとっての責任を持つことにつながっている。その時に、恥じないで胸を張って立ち向かえるだけの力を今、鍛えておきたい。答えのない未解決の課題に立ち向かい、解決するために。多くの先人が積み重ねてきた知の恩恵にあずかり、その先につながる僅かながらの一歩を踏み足すために。

 

 

勉強はそのためにある。

 

 

将来の自分に、まだ見ぬ誰かに、世界に、恥じぬだけの努力を。

 

 

あなたが今日がんばった一時間は、

もう限界と思ってから、それでも、とがんばった10分間は、

必ず未来につながっている。

 

目の前の些事にとらわれず、遠く遠く先を見つめて、胸を張って学びを積み重ねていってほしい。

 

 

【本日の一冊】

藤井貞和『日本語と時間―<時の文法>をたどる

 

≪内容紹介≫(amazonより)

古代人は過去を表わすのに、「き」「けり」「たり」など六種もの「助動辞」を使い分けた。ひたすら暗記の学校授業を思い出し、文法を毛嫌いするなかれ。それら〈時の助動辞〉は、何と意味・音を互いに関連させながら、一つの世界を作っているのだ。では、なぜ現代は「~た」一辺倒になってしまったのだろう。哲学・比較言語学など大きな広がりをもつ、刺激的な一冊。

 

≪一言≫

高校時代、古文は全然好きじゃなかった。文法が無味乾燥すぎて。仕方がないので、いろいろと現代語訳を読んで、とりあえずストーリーを頭に叩き込んだりとかしてしのいでいた。

そのころ思ってたのは、まさに本書のテーマ通り、「き」「けり」「つ」「ぬ」「たり」「り」が全部「~た」になるのおかしくない!?とか、推量いくつあんねん!とかだった。

古文の豊かな世界を紐解く一助となる一冊。無味乾燥な助動詞の中に古文世界の鮮やかな息遣いが潜んでいることを教えてくれる。本書は絶版になってるっぽいけどまだ手に入るし、図書館等にもあると思うけど、より手に取りやすいものとして、同著者の『日本文法体系』(ちくま新書)がある。こちらも古文文法全体を射程に入れ、学校文法を離れ新たな文法を打ち立てようとする名著。もうちょっと入門編としては同著者『古文の読み方』(岩波ジュニア新書)もある。