宮崎興治の生徒に!保護者へ!塾内日誌!

続けた人だけが、聞こえるようになる。(阪田)

時計の針が19時半を指すと同時に、塾内に一斉に声が上がります。テキストを手に、口を動かし、耳を澄ます。学年も目標もさまざまな塾生たちが、この時間だけは全員そろって同じことに取り組みます。最初はぎこちなかった声も、今ではリズムよく、流れるようになってきました。

当塾名物、当塾の秘密兵器、英語トレーニングの時間です。音読とシャドーイングの時間、19:30〜20:00の30分間です。

英語学習において、リスニングはよく「才能の問題」のように語られることがあります。でも、それは少し違います。英語の音が聞き取れるかどうかは、才能ではなく「慣れ」の問題です。正確に言えば、英語特有の音のリズムや発音のパターンを、脳と耳が認識できるように訓練されているかどうか、なのです。

日本語と英語では、音のつくられ方がまったく異なります。英語には、日本語にはない音の連結や、弱く消えていく音、複数の音が合わさって一つに聞こえる現象があります。

だから、文字で読めば理解できる英文も、耳で聞くとまったく別物に感じてしまうのです。この「壁」を崩すためにもっとも効果的な方法が、音読とシャドーイングです。

音読はただ声に出して読む練習ではありません。正しい発音を意識しながら声に出すことで、英語の音を「体で覚える」作業です。シャドーイングはさらに一歩進んで、ネイティブの音声をすぐ後から追うように発音していくトレーニングです。聞きながら同時に声に出すこの練習は、耳と口と脳を同時に動かします。続けることで、英語の音が自然に「聞こえる」ようになっていきます。

英検を目指す生徒にとって、リスニングは配点的にも見逃せない分野です。特に2級以上になると、リスニング問題の難易度と分量がぐっと上がります。

共通テストも同様で、英語のリスニングはリーディングと同じ100点、全体の半分を占めます。しかも問われるのは単語の聞き取りだけでなく、会話の流れを追う力や、話者の意図を読み取る力です。これは一夜漬けでどうにかなるものではありません。毎日少しずつ耳を鍛えてきた積み重ねが、試験当日の静かな自信となっていきます。

高校2年生、3年生から「音読やっててよかった!」「共通テストのリスニングが解けるようになってきた!」という声が上がるようになってきます。急に英語が得意になったわけではありません。毎日19:30になると教室で声を出し続けてきた、その積み重ねが形になってくるのだと思います。こういう言葉を聞くたびに、続けることの意味をあらためて実感します。

音読もシャドーイングも、劇的な変化がすぐに現れるわけではありません。

1週間続けたからといって、急に英語が聞こえるようになるかというと、なかなかそうはいきません。だからこそ、続けることが難しく、続けた人だけが手に入れられる力でもあります。

当塾で毎日この時間を設けているのは、「毎日やる」という習慣を、生徒だけの意志に任せないためです。一人だと「今日は疲れたから」「明日まとめてやろう」と後回しになりがちです。でも、教室全体でいっしょに取り組む時間があれば、それが自然と習慣になっていきます。隣から聞こえてくる友だちの声が、ペースメーカーにもなります。

英語が「聞こえる」瞬間は、ある日突然やってきます。「あ、今わかった!」「英語のまま理解できた!」という感覚が、それまでの努力が一気に報いてくれる瞬間です。そうなったらあとは「聞く」だけ。リスニングは圧倒的な得点源になるはずです。

その日のために、19:30、今日も教室に声を響かせます。