新年度高校1年生より、新学習指導要領改訂に伴い教科書の変更、指導内容の変更があります。
生徒も大変ですが、これ私たち講師側も非常に大変で、1からではないにしろ教科書対応をまたやり直さないといけないので、今年はとりわけ大忙しの春になりそうです。特に文系科目、英語・国語は文章ほぼすべて差し替えになったりするので……。今回はそうした新学習指導要領改訂への対応などをお伝えできればと思います。
別件ですが、この新教科書に向けて、昨年度からがんばっていました(がんばりすぎて肥えました)(しかし2週間前から3kgダウンしました。えらいね。)
令和4年度高等学校英語教科書『EARTHRISE English Logic and ExpressionⅠ Advanced/Standard』にて動画解説を担当しました。
また、併せて参考書『チャート式シリーズ EARTHRISE 総合英語』動画解説も担当しております。お手に取る機会があればぜひ。
国語のほうでは、大修館『新全訳古語辞典』映像講義も担当しています。こちらもポップで分かりやすく使いやすい辞書になっておりますので、よろしければぜひ(宣伝終わりです)
さて、新指導要領ですが、英語では
・コミュニケーション英語→英語コミュニケーション(文法・長文などを中心に4技能)
・英語表現→論理・表現(「書く」「話す」を中心としたアウトプット)
と名称が変更されています。
具体的な内容の変化としては、
・習得語彙数の増加(1800~2500語)
・4技能「読む」「聞く」「書く」「話す」の「話す」が「話す(やりとり)」「話す(発表)」となり、4技能5領域へと拡大
大きな変更点としては、
・ 受動的なインプットだけでなく、発信力・アウトプットを高める「論理・表現」が新設
・ 「文法偏重」から「聞く、読む、話す、発表、書く」の5つの総合力へ
というところでしょうか。
これまでも、4技能化ということが叫ばれていましたが、それをより一層推し進めたものになっています。また、国際指標であるCEFRを参照に、「~ができること」という到達目標ができたことも挙げられます。前回の共通テストの振り返りでも述べましたが、文法・訳読中心の学習からの脱却が意図されています。(このあたりに関してはいろいろと個人的に思うことがないわけではないですが)
大学入試においては、まだ「話す」については東京外国語大学や東京女子大学などわずかな例外を除いていまだ姿を見せていないところが多いですが、英検®やTOEIC®の利用などが検討され、「使える」英語力へという潮流は徐々に大きくなっていきそうです。
当塾では、3年前より徐々にこうした新傾向への対応を進めています。
・音読・シャドーイングといった音声を中心とした学習の習慣化
・早期からのライティングへの取り組み
・英検受験支援(通常授業内での対策・対策講座)
・記憶支援アプリmonoxerの活用による英単語の徹底定着(先日monoxer社の方とお話させていただいたときに、全国でもトップ5に入るくらいの取り組み度だとのことでした)
高1では、中学校までとは取り組みの仕方も量も全く異なる高校での英語学習になれるため、教科書・副教材ベースでの学習を中心に、音声トレーニングの習慣化を図り基礎体力を身に付けていきます。クラス全体のレベル感や需要によって英検を中心にとるなど異なる場合はありますが、基本的には、まずは高校生としての、難関大学受験生としての学習習慣をしっかりと身に付け、定期テストでしっかりと得点していくことを目標としています。
高2では、英検などの素材を中心にリスニング力やライティング力の強化、また後半では、大学入試2次試験レベルの長文読解力の養成を目標としています。(共通テストではリスニングの配点が増加しており、国公立2次試験においては、長文・英作文の配点が圧倒的に高くなっています。早期に重点領域を強化していきます。)
高3では、4技能の総合力を磨き上げ、より大学入試に向けてスキルをブラッシュアップしていくことを目指します。また共通テスト対策としてリスニングやリーディング演習を行います(現状、国公立2次試験と共通テストでは全くといっていいほど問われる力の質が異なっているため、実戦においては別個の対策を立てる必要があります。)
高校での学習は中学校までの学習とは全く異なります。
生徒によく話すことですが、高校入試は地区予選、大学入試は全国大会です。
求められる力も、ライバルたちも桁違いのもの。
中学校までの感覚、中学校までの学習レベルそのままでは、中高の大きな隔たりを乗り越えられず、「中学校まではできていたのに……」ということが各科目で発生してしまいます。
また指導内容・出題内容が大きく変化していく中、そうした情報をしっかりと把握し、早期から意識的に対応していくことが、受験生には求められています(それが良いか悪いかは別として……)
難関大学受験生に最適なものを最適なタイミングで。個々の顔が見え、同時に集団の力を生かすことができるような環境で指導していくことを目指しています。
大学受験は、決して楽で平坦な道ではありませんが、自分の成長を楽しみながら、まだ見ぬ誰かを助けるための力を身に付け、将来の自分自身を支える努力を身に付け、社会を変革するような学問への前哨戦を見事胸を張って戦い抜いてほしい。
そう思っています。
戦うことだけが唯一の道ではありません。
学歴だけがすべてではありません。
それはありとあらゆることがそうでしょう。
ただ、戦うことを選んだならば、その決断を全力でサポートします。
どうか、それぞれが誇らしく笑顔で振り返ることができるような、納得のいく高校3年間を過ごしてもらえればと願ってやみません。
最初かつ受験期・新年度切り替えの時期なので硬い話題が続いてしまいましたが、もうちょっとゆるっとした内容で次回からはお送りできればと思います。たぶん毎週土曜日更新。がんばる。
【本日の一冊】
≪内容紹介≫(Amazonより)
教授は言った。「相手にとどめを刺しちゃいけません。あなたはとどめを刺すやり方を覚えるのでなく、相手をもてあそぶやり方を覚えて帰りなさい。そうすれば、勝負は聴衆が決めてくれます」タレントは唸った。「本物は違う!」今、明かされる究極のケンカ道とは?フェミニズムの真髄とは?20万人が笑い、時に涙し「学びたい」という意欲を燃えたたせた涙と笑いのベストセラー。
≪一言≫
僕が高3のころに読んで、大学での学問の壮絶さの一端に触れ、そして憧れを掻き立ててくれた一冊です。こんなにも想像を絶するほどの勉強をしているんだと目を丸くする一方で、大学での学びになみなみならぬ期待を抱きました。課題をこなすために徹夜を繰り返すが、眠気がすごすぎてカフェインすら効かず、逆にハーブティーでリラックスをすることで、脳の防衛機能としての眠気をキャンセルする、というやばいエピソードはいつまでも心に残っています。読みやすいエッセイですが、笑いながら「学ぶこと」への興味関心が刺激され、そして「なんのために学ぶのか」その一部を垣間見ることができるおすすめ本です。